【完】三つ子のヤクザと狼娘 巻ノ壱





 まさか、こんなところにいるなんてね。





「でも、萌様?なんでこの狼を殺らせたのですか?」




 運転手が聞いてくる。




「あなたが狙っている、花蓮とは何の関係もなさそうですが?」



「私は幼い頃に見たのよ。あの女が、狼と遊んでいるのをね。たぶん、あの女はあの狼に育てられたのよ…」





 萌は言ってから、鼻を鳴らした。間違いない。




 自分の推理は完璧だ。




 現状証拠しかないが、そのうち、証拠品も上がるだろう。