「奏太さんに、お礼言ってこなきゃ」



 花蓮は、礼を言い忘れたことを思い出し、天蓋付きベッドを飛び出した。




 廊下を歩いていると。




「また、女を連れ込んできたの!?」



「悪いかよ!!」




 奏太と誰かの言い争う声が聞こえてきた。



 声は女の声で、少々取り乱しているようだった。