「うん、ありがと。でも、敬語は使わないで。面倒だから」 花蓮が言うと、陸は困ったような顔をして。 「はい…じゃないや、うん」 「ねえ、さっきの偉そうな男、誰?」 「知らないんですか?ここ竜王組の若頭、奏太(カナタ)さまですよ」 「若白髪…?」 「若頭!!」 陸が大声で。 「すごい人?」 「知らないの?」 どうやら、常識らしい。 花蓮は曖昧に頷いた。