「ま、いいか。じゃあ、放課後ね」 萌は血と髪で汚れたハサミを持って教室へ戻っていった。 鍵を閉められて、空気がこもった体育館の倉庫。 酸欠で死なないように窓が開いているが、かなり高い。 だが、花蓮は狼に育てられた子供。 運動能力はずば抜けていた。 「行ける!」 花蓮は、ジャンプして窓に飛び乗った。 窓の隙間は小さいが、食が細くて、小柄な花蓮は難なくそこを潜り抜けた。 「脱出成功」