まずは副店長の仲森さんから。
「えー、そうですね。この店は他に比べると、宣伝が少ないかと」
「そうだよなぁ。売れてる店ならバーンと広告トップに載せてもらえるんだろうけど、ウチじゃなぁ」
そうか……
この間、広告を片手に来てくれたお客様がいらっしゃったけど……
確かあの方が持ってきた広告も、ウチの一押し商品は片隅に追いやられていたっけ。
「ですので、宣伝効果を高めるために、一時的に商品を割り引いてみてはどうでしょう」
仲森さんの言葉にえっと目を丸くした。
商品を割り引く……?
この時期に……?
「あの……、商品を割り引いてしまっては赤字が増える一方ではないんですか?」
わたしが不安に感じたのがこれ。
赤字の状態で、割り引いてしまっては赤字が増えるだけだと思ったから。
「まぁ、最初のうちは仕方がないと思う。確かに赤字は増えるだろう」
「でしたら……」



