「待ってください、社長!必ず業績は上げてみせますので、店仕舞いだけは勘弁してください」


よろしくお願いしますと店長は深く頭を下げた。


店長……




「今までは目を瞑ってきたんだ。川端くんのことは信頼していたし、業績を立て直してくれると」


そして、社長からわたしも知らなかった事実が語られる。




「ここ、売上最下位らしいじゃないか」

「そ、れは……」

「まぁ、開店当初は順調だったらしいが、もうここ2年ほど売上最下位が続いているんだよ、この店は」



えっ、そうだったの……?

売り上げが伸び悩んでるとは聞いていたけど、まさか売上最下位だったとは……


初めて知った事実に、わたしとジョンは顔を見合わせた。




「今年中にトップになれとまでは言わない。しかし、ある程度の業績アップの見込みは立ててもらわないと困るんだ」

「はい……」

「というわけで、今年中に何らかの成果を出すように。さもなければ、この店を潰す」



「分かりました。必ず成果を上げてみせます」