そんなこと言われても、英語は一番苦手なんだよ……
春菜にこう返しても、「はいはい」と受け流され、彼女は呆れた表情を浮かべていた。
「それにしてもこの七年で何があったっていうのよ。麻菜、変わっちゃったわね」
「変わった?わたし、どこか変わった?」
久しぶりに会った彼女からすると、わたしは変わったのだろうか……
全然、変わっていないような気もするのだけれど。
「どこっていうか、全部。昔と全然違うじゃない」
「え?そんなに違う?」
「えぇ、あの“ほんわか麻菜ちゃん”は何処に行っちゃったのよ」
ほんわか麻菜ちゃん―――
久しぶりに聞いたこのあだ名。
高校時代は、ほんわかしてるイメージからか、こう呼ばれるようになっていた。
「こんなツンツン女子になっちゃって。昔の面影、全然ないじゃない」
「全然ない、か……」
本当に変わっちゃったんだなぁ、わたし。
“ほんわか麻菜ちゃん”から“ツンツン女子”に変わっちゃったし。



