「彼にアメリカにいるって知られたくなかったから、誰にも言わずに日本を発ったの」
「そうだったの……」
「春菜、今まで黙っていて本当にごめんなさい」
深く頭を下げて謝った。
親友なのに、何の相談もしないで勝手にいなくなって……
「もうやめてよ、麻菜。あの時は本当にどうしてって何度も思ったよ」
「うん……」
「でも、麻菜が姿を消した理由は分かってた。それに麻菜は頑固だから、一度決めたら自分の意志はつき通すしね」
わたしの性格など十分理解していた春菜には、全てお見通しのようだった。
やっぱり春菜には敵わないかも……
それからアメリカでの出来事も一通り話し、春菜は軽く相槌を打ちながら聞いてくれた。
「英語も話せない麻菜がよくアメリカに行く気になったよね」
「まあ……今でも話せないんだけどね」
「はぁ!?七年もいたのに、話せないの?あり得ない」



