「麻菜は?麻菜はどこのショップで働いているのよ?」

「わたしは“STAR☆”で働いてるわよ」

「“STAR☆”って、あー、あの売れないショップね」



「売れないって失礼ね。向こうじゃ結構人気なのよ。わたしはアメリカの本社から助っ人としてやって来てるんだから」

「はあああ!?アメリカの本社から!?って、アメリカ!?」



立ち上がってしまいそうな勢いで、声を上げた春菜。

その勢いでガタンと机が揺れる。




「春菜、落ち着いてよ」

「これが落ち着いていられる!?麻菜、突然消えたと思ったらアメリカに行ってたの?」

「まあ……」



「どうして行く時、教えてくれなかったのよ。あの時、皆すごく心配してたのに」



春菜の様子から、あの頃本当に心配してくれたんだなと分かる。




でもあの時は、ああするしかなかった……黙って行くしかなかったの。


やっぱり親友の春菜にだけは話しておいた方がよかったかな……



でも、そうしたらわたしの計画は水の泡だったかもしれない。


彼に再会してしまったことで、どちらにせよ水の泡になってしまったのだけれど。