「久々の日本なのに嬉しくないのかい?」

「……別に」




飛行機に乗り数時間、日本に近づくにつれ、気分がどんどん落ち込んでいく。


どうして今、自分がこの飛行機に乗っているんだろうと今更になって後悔してきた。


本当ならずっとアメリカ本社で頑張っていくつもりだったのに、この隣の男のせいで。


日本行きを決めたのに、無理やりにでもアメリカに戻りたくなってくる。




全てがこの男のせいだと思い、キッとジョンを睨み溜息を吐いた。




「おいおい、そろそろ機嫌を直してくれよ。向こうで暮らす手はずは全て僕が整えただろう?」

「わたしはそれにも文句があるんです!」


「文句?僕はお礼される覚えはあるけど、文句を言われる覚えはないよ」

「確かに住む家を見つけてくれたのには感謝するけど、どうしてジョンと隣同士なのよ……はぁ」




そう……

ジョンがわたしと二人分の家を見つけてくれたのはいいのだけれど……


よりにもよって、ジョンと隣同士なのだ。