別に嘘は吐いていないのだけれど、ジョンから疑いの眼差しで見つめられる。


だから、本当に看病してくれただけだって!と心の中で言い返した。




「普通、そこまでする?ただの上司が」



ただの上司……ズキンと心が痛んだ。

分かっていたことなのに、覚悟していたことなのに、こうして言葉にされると辛い。




「前から怪しいと思ってたんだよね。麻菜と仲森さんって何かあるでしょ?」

「な、何も、ない、よ?」



わたしの顔色を窺うように、覗き込んでくるジョン。

迷いのない真っ直ぐな瞳が私を見据えていた。




「ははっ、麻菜って嘘吐けないよね。やっぱりそうかぁ。そうじゃないかとは思ってたんだけどね」

「だから、それは違……っ」

「誤魔化さなくてもいいよ。もう分かってるから。だってさ、麻菜と仲森さん、お互い意識しすぎてバレバレだったよ」



悲しそうに微笑むジョンに、何も言うことが出来なかった。


あんなにバレないように意識していたのに、こうしてバレてしまった。


わたしと仲森さんには何かがあるって―――