「本当に送ってもらっただけ?他に何もなかった?」

「本当に送ってもらっただけよ。病院に寄って薬をもらってから、家に送り届けてもらったの」



ジョンはわたしたちのことを知らない。

あくまでも上司と部下の関係としか思ってないだろうから、こう話しておいたほうがいいと思った。




「それ嘘だろ……?」

「え……う、嘘って―――?」


「だから!送り届けてもらっただけじゃなくて、そのまま仲森さんを家の中に入れたんだろ!?」

「え……ど、どうしてそれを……」



どうして仲森さんを家に入れたことをジョンが知っているの……?

わたし、誰にも話していないし、仲森さんも人に言いふらすような人じゃない。




「麻菜が倒れた日、様子を見に行ったんだ。何度もチャイム鳴らしたんだけど、全然出なくて」

「ジョン、来てくれたの……?」

「まぁね、心配だったから。仕事が終わってからすぐに」



もしかしたらジョンが来てくれた時って、わたしがちょうど寝ていた時かもしれない。


その時は仲森さんも寝ていたから、出られなかったんだ。