あれから完全に治るまで休みを取らせてもらった。
熱も下がって、今日は久しぶりの出勤となる。
あの日は仲森さんに関わり過ぎてしまったし、迷惑もたくさんかけてしまった。
今日会ったら、しっかり誤っておかなくちゃ。
家を出る前にもう一度、鏡で自分の姿を確認する。
「よしっ、今日からまた頑張らなくちゃ」
気合を入れて玄関を飛び出して、会社へ向かおうとした時のことだった。
なんと外にはジョンがスーツを着て、待っていたのだ。
「ジョン?おはよう。今日は、寝坊しなかったのね」
「あ、あぁ……おはよう、麻菜」
ジョンがこの時間に起きているということは、本当に珍しいことだった。
明日、雨……いや雪でも降るのかしら。
さすがに遅刻はしないけれど、ジョンが早起きなんて考えられないことだったのだ。
「麻菜、話があるんだけど……」
「話って何?わたし、早めに出勤したいから、会社に向かいながらでもいい?」
「それでいい……」



