今、一口食べさせてもらったけど、すごく恥ずかしい。
もたれたままの状態で、彼に食べさせてもらうなんて。
「でも体、だるいんだろ?無理すんな」
恥ずかしいけど、自分で食べる体力はもう残っていない。
それから仲森さんに大人しく食べさせてもらった。
背中に彼の体温を感じて、胸が苦しくなって上手く息が出来ない。
体がどんどん熱くなる。
これも熱のせい、だよね―――?
半分以上食べられたわたしは薬を飲み、すぐに横になった。
「ゆっくり休めよ。おやすみ」
「おやすみなさい、仲森さん。今日はありがとうございました」
横になると眠気に襲われたわたしは、すぐに深い眠りに就いた。
秀平はしばらく頭に手をやりながら、麻菜の寝顔を見つめていた。
「あんまり心配させるなよ、麻菜」
麻菜の瞳から伝った一筋の涙を指で拭いながら、秀平は言った。



