「水飲める?」


仲森さんの言葉に、小さく頷いて返事をする。


支えられながらゆっくり起き上がり、彼からコップを受け取ると一口含んだ。




「薬飲まないとな。そのためには何か食べないと。今、何か作ってくるからちょっと待ってて」

「あっ……」



わたしのこんな小さな声は届くことなく、仲森さんは部屋を出て行ってしまった。



行っちゃった……

こんなことダメだって……頭の中では分かっているのに。



でも、そうしたくないっていう我儘な自分もいる。

もっと傍にいてほしい、もっとあなたを見ていたいって……




いけないことなのに、もっと近くにいたい……そんな気持ちと葛藤しながら、再び瞳を閉じた。