それから病院で診察を受け、そのままマンションまで送ってくれた。
「ここ、お客様用のスペースに停めていいんだよな?」
「はい……すみません」
今はただの上司なのにここまでやってくれる仲森さんに申し訳なくて、何度も謝ってしまう。
そのたび仲森さんは、これ以上謝るなとわたしに言ってくれる。
だけど、そんなわけにはいかない。
だって、わたしは……あなたに優しくされる資格なんてないのだから。
「仲森さん、ありがとう、ございました」
意識が朦朧とする中、部屋の前まで到着し、何とかお礼までいうことが出来た。
フラフラと家の中に入ろうとすると、仲森さんに腕を掴まれてしまう。
「な、かもりさん……っ、あの……手……」
「結構辛いだろ?ちょっと大人しくしとけよ」
「え?……って、あ、ちょっ」
ひょいと横抱きにされて、そのまま家の中へと運ばれた。
フワフワの意識の中、この感覚……何処かで覚えがあるような……。



