騙されてあげる~鬼上司に秘密の恋心~




―――

――――――

――――――――………





「……んんっ……」



目を覚ますと、何故かベッドの上だった。


ここは一体何処だろうと思って、辺りをキョロキョロと見渡してみる。


頭を動かすたびにズキズキと痛みが走って、すぐに顔をしかめて動きを止めてしまう。




「あら?加藤さん、目が覚めたのね。よかったわ」


白衣を着た女性がいきなり登場して、再び頭が混乱してきた。




「あの……ここは?」

「医務室よ。あなた、倒れてここまで運ばれてきたの」

「そう、だったんですか……」



わたし、あの時あのまま倒れて気を失っちゃったんだ……

早く仕事に戻らないとと思って、慌てて起き上がるとまたひどい目眩に襲われる。




「あっ……」

「まだ駄目よ、寝てなくちゃ。9度近く熱があるんだから」


「でも仕事が……」

「そんな体で働けるわけないでしょう。しばらくは仕事禁止。これ、あなたの上司からの伝言ね」