あれから秀ちゃんは東北でプロ野球のコーチを数年間やり……
ついにここ、名古屋を本拠地とするチームのコーチを任せられたのだ。
たったの数年で約束を守ってくれるなんて。
さすがは秀ちゃんだ。
「楽しみですね、麻菜さん」
「……まあね」
「麻菜さん、照れてる!」
こうして秀ちゃんの話を持ち出され、村田ちゃんにからかわれることもしばしば。
ここ数年で、わたしたちの関係も確立されていた。
わたしはこうして、昔からの夢だったショップ店員を続けることができて。
秀ちゃんは、コーチとして戻ってくる。
それぞれの夢を掴むことが出来たのだ。



