騙されてあげる~鬼上司に秘密の恋心~




嬉しい……

秀ちゃんが結婚を考えていてくれたなんて。



「返してって言われても返さないもん。わたし、秀ちゃんのお嫁さんになる!」

「じゃあ、麻菜。これは絶対はずすなよ。男避けだから」

「うん、外さないよ」


絶対、外さない。





それから秀ちゃんの顔がゆっくり近づいてきて。

そっと唇が重なった。


ただ触れるだけのキス。




離れると、また彼の照れた表情が見られた。

わたしも彼に負けないくらい顔が赤かったと思う。