今日、彼を説得して必ずコーチになってもらうんだ。
溝口先輩が言ってた。
秀ちゃんが明日までに引き受けると返事をしなければ……
この話は白紙に戻されるらしい。
だから、何としてでも今日、彼に行くと言わせてみせる。
そして、仕事が無事に終わり、わたしと秀ちゃんだけ一足先に帰ることが出来た。
店長と幸さんが気をまわしてくれたのだ。
「ねぇ、秀ちゃん。ディナーの前に少し話したいことがあるんだけど」
「うん?じゃあ、歩きながらでもいい?」
「うん」
街を綺麗に着飾るイルミネーションを見ながら、わたしは静かに口を開いた。



