「さっさと仕事に戻れ―――!!」
副店長の一喝が入り、幸さんだけでなく、わたしもビクッと体を震わせてしまった。
さすが……鬼の上司と言われるだけのことはある……
「はいはい、せっかく良かれと思ってやったのになぁ」
こう文句を言いながらも、幸さんは再び店内へと戻っていった。
そして、ここに残されたのは仲森さんとわたし……
どちらも言葉を発することなく続いた時は、1分も経っていなかったはずなのに、とてつもなく長く感じて……
この気まずい雰囲気に耐えられず、私も店内へ戻ろうと仲森さんの前を通過した時だった。
彼が私を見つめて言ったのは……
「話しがある。仕事が終わったら待ってて」
小さく消え入りそうな声だったけれど、確かにそう聞こえた。
はっきりと―――



