騙されてあげる~鬼上司に秘密の恋心~




溝口先輩は、秀ちゃんとは違って大きくてクマさんみたいな人だ。

確かに秀ちゃんも背は高いけど、体格があまりにも違いすぎる。


いくら後姿だったとしても、あの時気付いていたはずだ。




「まあ、いいや。これで麻菜の誤解は解けたんだろ?」

「……うん」

「なに?まだ何か不安あるの?」


やっぱり秀ちゃんは色々よく見ていると思う。

わたしの少しの返事の違いも見落とさないんだから。




「秀ちゃん、本当に本当にわたしのこと……あの、その」

「好きだって、麻菜のこと。本当に。復讐したいとか思ったことないから」

「ほんとう……?」