慌てて、でも彼を起こさないようにそっと起きると、頭に痛みが走った。
やっぱり今日も二日酔いか。
あれだけ飲んだんだ、仕方がない。
ベッドをそっと降りたところで、不運にも彼が目を覚ましてしまったらしい。
「……ん、まな?」
まだ寝ぼけたような声で呼び止められる。
逃げられるなら今だ。
そう思ったわたしは、彼の声に見向きもせずこの部屋を出ていこうとした。
「ちょっと待って。どこ行くつもり?」
しかし、秀ちゃんの行動の方が早くて、ベッドから出た彼の手によって阻止されてしまった。
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