どっちみち、別れることになるんだったら、自分から別れを告げた方がいい。
そう思ったわたしは、秀ちゃんの家の前まで来た。
前から預かっていた合鍵を使って、中に入ると2組の靴が玄関のところに出ていた。
男性ものの靴と、もう一つは女性ものだった。
もしかして、幸さんが……?
でも、わたしから別れを告げるんだから、幸さんがいた方が話が早く済むかもしれない。
わたしは覚悟を決めて、二人の姿を探した。
幸さんと秀ちゃんがいたのは、寝室。
もしかしたら見たくないものを見てしまうかもしれない。
でも、わたしはもう後ろに引けなかった。



