秀ちゃんと幸さん。


わたしが見たのは、住宅街の片隅にポツンとある産婦人科に入る二人の姿だった。



あー、やっぱりそうだったんだ。

幸さんの相手は思った通り、秀ちゃんだった。



分かっていたことなのに。

覚悟していたことなのに。

わたしはしばらくその場から動けなかった。


微かに抱いていた希望も、その瞬間砕け散ってしまった。