「もしもし?秀ちゃん?どうかしたの?」

「あっ、麻菜……悪い」


秀ちゃんの声はまるで朝起きたばかりのように、機嫌が悪そうだった。



「急用が出来て行けなくなった」

「え?急用?」

「ほんと、悪い」

「そっか、急用なら仕方ないよね」

「ほんと、ごめん」

「ううん、気にしないで」


本当に申し訳なさそうに電話を切った秀ちゃん。