「秀ちゃん」 「ん?」 「もう少し傍にいてもいい?」 わたしはあと、どれくらい秀ちゃんの傍にいられるのかな。 「麻菜、なに。それ誘ってんの?」 「え?」 「じゃあ、今日は俺ん家来る?」 わたしは、そういう意味で言ったんじゃないんだけどな。 でも、まあ、今は秀ちゃんと一緒にいられればそれでいいや。 そう思ってわたしは、差し出された彼の手を取った。