———ごめん、急用が出来て行けなくなった。
久しぶりの秀ちゃんとのデートに、鼻歌交じりで支度をしていたのに。
彼からこんなメールを受け取った時は、かなり落ち込んだ。
「……なんだ。せっかく楽しみにしてたのに」
わたしばっかりウキウキして、楽しみにしてたみたいじゃない。
「……もー!わたしとのデートより優先させる用事って一体何だー!」
突然何もしたくなくなって、叫んでみたはいいものの。
……何だか、余計に空しくなってきた。
家にいてもウジウジしているだけだと思って、重たい体を起して外に出かけることにした。
まあ、気分を紛らわすには外に出るのが一番いいかな。
そう思って、秀ちゃんのためにお洒落した格好のまま外に出ると。
まるでわたしの気持ちをそのまま表したような、曇り空だった。
本当は今頃、隣には秀ちゃんがいたはずなんだけどなぁ。



