「まあ、他に好きな子が出来たって言われた時は、ヤツに飛び蹴りを食らわせてやったけど」

「……さ、さすが春菜」

「それに振られる理由がいつも同じ。お前は俺がいなくても強いから平気だろなのよ!」


怒りが込み上げてきたのか、叫び声にも近い声を張り上げた。




「強いから平気って。その人、春菜のこと何も見てないんだね」



春菜は傍から見たら頼りになって逞しい女性に見えるけれど。

本当は誰よりも寂しがりや。


春菜を見ていれば、それが強がりだって分かるのに。