「ねえ、麻菜ー」
そろそろ春菜が酔い始めてきたかなという頃。
「私って、女っぽくないかなぁ」
ポツリとらしくないことを、麻菜は呟いた。
「うーん、確かに。どっちかって言うと、男っぽいっていうか……」
オヤジっぽいと言おうと思ったけど、そこまではやめておこう。
お酒を飲むと男らしさ、いや、オヤジらしさが一層増した春菜を見ながら
そこは敢えて耐えておいた。
「どうしたら女っぽくなれるかなぁ」
「……春菜、女っぽくなりたいの?」
「まあ、そりゃあ、ねぇ……」
そう言いながら、またゴクリとビールを一気飲みしている。



