「じゃあ、俺たち行くけど。麻菜たちは本当にいいのか?」

「うん、私たちはいいのよ。久々に女二人で麻菜の家で飲むから」



もうすぐ引っ越しをするからという理由で、先輩の家にわたしと春菜もお誘いを受けていたのだけれど。

春菜の希望で、わたしたち二人だけで飲むことになったのだ。




「じゃあ、麻菜あとで」

「うん、今日はわたしが行こうか?」

「いいよ、俺が行く。終わったら、そのまま行くから」

「うん、分かった」


優しく微笑んだ秀ちゃんが、わたしの頭を軽く撫でると。

そのまま先輩と並んで歩き始めた。




「じゃあ、加藤またなー。今度は新居にも遊びに来いよ」

「はーい!ぜひ行かせてくださいねー!」



少し振り向いた先輩にわたしも手を振り返すと。

隣で春菜が大きな声を上げた。