「秀ちゃん、まだ眠いの?あれだけ寝たのに」
「……ふわぁ、さっきよりもだいぶ目覚めてきたけど、まだ……」
まだウトウト気味の秀ちゃん。
完全に目も開いていない状態で、わたしの手を握った。
「よし、たぶん大丈夫。行こう」
「秀ちゃん!?行こうってどこに!?」
「どこにって……いつものとこに決まってるだろ」
「いつものとこって……それより春菜たちが……」
まだ言い合っている春菜と溝口先輩を置いて、スタスタ行ってしまおうとする秀ちゃん。
「いいよ、あんなのは放っておいて」
クスリと笑った秀ちゃんが後ろを振り返って、その二人を見た。
「あんなのって何だよ!」
「あんなのって何ですか!」
笑われた二人が同時に叫ぶ。
ふふっ、やっぱりあの二人気が合うみたいだ。



