満面の笑みで頭を撫でられれば、先ほどの怒りは消えてなくなってしまう。
やっぱり、秀ちゃんは笑顔じゃないと。
ここ最近は、よく笑うようになった秀ちゃん。
この笑顔は、わたしが守って行きたいな。
料理が運ばれてくるまでの間、秀ちゃんと庭をぶらぶら。
その途中で、恋人同士または夫婦と思われるカップルに何組かすれ違った。
「秀ちゃん……恥ずかしいよ」
「他だって皆自分たちの世界にいるみたいだから、気にしない気にしない」
秀ちゃんは気にならないかもしれないけど、
わたしは気になる……この腰に回された彼の腕。
グッと引き寄せられ、密着した体が熱を持って。
しかも周りに人がいるというこの状況。
恥ずかしくないわけがない。



