「せっかくの3連休だったのに……」
ふと不満を漏らすと、隣から必死に謝罪の言葉が並べられた。
「ごめん!ほんと、ごめんって!」
車の運転をしながら、わたしに必死に頭を下げているのは秀ちゃん。
どうしてこんなことになったのかというと、
秀ちゃんの寝坊が原因だ。
朝が弱い秀ちゃんのことだから、寝坊なんてよくあることなんだけど、
よりにもよって、今日まで寝坊しなくてもよかったのに。
だって、今日は
秀ちゃんとずっと約束していた旅行に行く日だったのだから。
「麻菜、ほんと、ごめんって!」
今日の秀ちゃんは謝ってばかりだ。
「もういいって、秀ちゃん。わたしも悪かったし」
「いやいや、こんな大事な日に俺が寝坊なんてしなければ」
「でも、わたしが道に迷わなければ、こんなところに来なかったわけだし」



