何なんだ、春菜……
今日はいつも以上に変化も。
しかし、次の瞬間、春菜の言った修羅場の意味が分かった。
「おはよ、麻菜……と、仲森」
最近あまり会話してなかったジョンが、久しぶりに声をかけてきたのだ。
しかも秀ちゃんと一緒にいるときに。
「お、おはよう、ジョ、ジョン……」
何だか気まずくて、わたしからすぐに目を反らしてしまった。
会社はもう目の前だというのに、歩く道のりがかなり長く感じた。
「……じゃあ、お先」
「え……?」
いつものテンションの高いジョンはどこにもいなくて。
元気がなく、ジョンは無理やりな笑顔を作っていた。
少し寂しそうな彼の背中がゆっくりと離れていくのを、わたしはただ見ていた。



