春菜は呆れ顔を向けながら、さっきの話とやらを話し始めた。




「だから、麻菜たちはやっぱりこうじゃないとねって言ったのよ」

「こうじゃないとって?」


「麻菜と仲森さんはやっぱり一緒にいないとダメなんだなぁってこと」

「一緒に……?」


春菜の言葉に秀ちゃんと二人顔を見合わせた。


そして、春菜は優しく微笑みながら言った。




「本当の麻菜と仲森さんに戻りつつあるものね」



本当のわたし……?本当の秀ちゃん……?




「昔みたいなほんわかカップルが見られる日もそう遠くはないかもしれないわね」



ほんわかカップル!


確かに高校生の頃のわたしたちはそう呼ばれていたけど。

今のわたしたちにはほんわか和める要素なんて、どこにもない気がする。




「あっ、何だか修羅場になりそうだから、私先に行ってるから!」


わたしの後ろのあるものを見ながら、春菜が楽しそうに去って行った。