「はぁ……んっ……ンっ」




———まだ足りない。


そう呟いた彼は、何度も何度も唇を奪った。




「秀、ちゃ……ン……はぁ……」


自分から聞いたことないような甘い声に驚いた。


幾度となく漏れるそんな声に、恥ずかしさがつのっていくばかり。




「秀ちゃん……もう、わたし……っ」

「ダメだ、まだ……」



すぐにまたキスが落ちてくると、少し開いた隙間から今度はすぐに舌が侵入してきた。


彼の舌の動きが、わたしをどんどんおかしくさせていく。




「あっ……んっ……はぁ……ン」



もう、秀ちゃんしか無理。

秀ちゃんしか見えない。




「麻菜……もう俺から離れないで」


再び抱きしめられた腕の中で、わたしは小さく頷いた。




もう離れない。離れられない。



秀ちゃんに想いを伝えて、昔に戻ったみたいに触れ合って。


わたしはまた、過ちを犯してしまった。