「頼むよ、麻菜」
「うん……わたし、秀ちゃんがいないと生きていけないよ」
突然、なにも離さなくなった秀ちゃんの顔を覗くと。
さっきとは打って変わって、余裕のない表情の彼がいた。
「しゅ、秀ちゃん……んっ……」
何の前触れもなく、噛みつくように唇を奪われた。
さっきのキスとは全然違う。
息する間も与えないくらい、激しく求められて。
彼のキスについて行くのに、わたしは必死だった。
「麻菜、キス下手になった?」
「はぁっ……だって、久しぶり、すぎて」
「……もう、ほんと。可愛すぎて、困る」
彼の手が後頭部にまわり、今度は優しく触れ合った。
それから次第にキスを深めていった彼は、わたしを壁に押さえつけた。
「きゃっ、あっ……しゅ、ちゃん……」
両手を上で抑えつけられ、もう逃げ場はなくなった。



