「な、かもりさん……」

「今だって、俺にこうして大人しく抱きしめられてるだろ。嫌だったらもっと抵抗しろよ」


仲森さんの言葉にハッと我に返って、彼の腕の中でもぞもぞ動いた。


わたしの小さな抵抗。




「本当に嫌なの？俺に抱きしめられてるの」

「い、や……離して……」


「麻菜の嫌って本当に嫌がってるようには聞こえないんだけど」


何か面白がっているように、彼はさらに力を強めてきた。



もう抵抗することも出来なくて、大人しく腕の中に収まっていると。

ふっと、頭上で彼が笑った気がした。




「仲森さん、ここ外だし……」

「外じゃなきゃいいの？じゃあ、俺の家行く？」


「………仲森さん、意地悪」