それから幸さんの気が済むまで、愚痴を聞いて。
気付いたらもうすぐ日付が変わろうとしていた。
「幸さん、大丈夫ですかね?一人で帰っちゃいましたけど」
自棄になって、幸さんの顔はかなり赤く染まっていた。
あんなにお酒に強いのに、珍しい。
「大丈夫だろ、アイツの彼氏にさっき連絡しといたし」
帰り際、仲森さんが携帯をいじっているのは知っていたけど。
幸さんの彼氏に連絡してたんだ。
「なら大丈夫ですよね。幸さん、彼氏さんと仲直りできるといいんですけど」
「そーだよなぁ。アイツらには早く仲直りしてもらわないと、愚痴聞かされるこっちの身がもたねーし」
こんなこと言ってる仲森さんだけど。
また二人が喧嘩した時は、こうして愚痴聞いてあげると思う。



