「おはよう、麻菜」



フッと笑った彼は下を向くわたしの方へと近づいてきて。

わたしの前に立つと、顔を覗き込んできた。




「まーな。何ずっと下向いてんの?こっち向いてよ」

「………」



無理よ……仲森さん。

これ以上、あなたに近づいたら、わたし……



ちょうどその時、元気な声がショップいっぱいに響き渡った。




「おはようございまーすって……秀平と麻菜ちゃんか」


いつものように満面の笑みを浮かべた幸さんも出勤してきたらしい。




「おー、おはよう。相変わらずうるせーヤツ」

「あ、幸さん。おはようございます」


二人揃って返すと、あっと何かを閃いたように頷いた幸さん。


そして、ニヤッと笑いながら。