そんな中、一人だけ違う雰囲気の女性がいた。
他の女性たちとは違い、ジョンにうっとりした視線を送ることはしない美人社員。
同性のわたしから見ても、振り返ってしまうほどの美しさだった。
「あれ……そういえば、一人足りないような気がするが……」
店長が何かに気付いたように、ボソッと呟いた。
一人足りない……ってことはもしかして遅刻……?
「やっぱり仲森(なかもり)がいないじゃないか。アイツはまた遅刻か?」
社員の顔を一通り見回した店長は、いないと思われる一人を名指しした。
仲森……?
まさかね。
「店長、またじゃないですか?」
「みたいだな。またアイツは遅刻か。はぁ……」
またってことはその人は遅刻の常習犯!?
それに仲森っていう名前……
わたしの知っている仲森さんと人物像が一致しすぎている。
もしかして、もしかして、と思っているうちに運命の瞬間がやって来た。



