「それよりも麻菜。アイツとデートってどういうこと?」
まただ。
またさっきと同じ感覚が蘇って来た。
恋人に浮気を知られた時の彼女の気分。
「たまたま会って、それで……」
「へぇ……それで色々連れまわされたわけ?」
「色々って訳じゃ……ただバーに連れて行ってもらっただけで」
何だかすごく、悪いことをした気分になる。
「あのさ、麻菜……」
仲森さんは静かに呟いた。
「頼むから……頼むからさ」
わたしの腕を掴む彼の力が強まった。
「アイツには近づかないで……」
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