店を出る直前、流川さんの声が聞こえてきた。


誰に向けて言ってる……?




「何が言いたい?」



仲森さんの声が、いつも以上に低くて怖い。




「いや……ただ、本気になったから。それだけ伝えておこうと思って」

「………」

「アイツの敵も取れるし、一石二鳥だな」



流川さんが何を言っているのか分からない。


仲森さんは無表情で、今度はわたしの腕を掴んで歩き出した。



外に出ると、夜風が冷たく突き刺さる。


今、色々なことがありすぎて、頭が混乱していた。




「な、仲森さん……!」