すると。

すぐに幸さんが入って来て。



「さっきの男の人、麻菜ちゃんの知り合い?」

「え?あ、まあ……友達の友達みたいな感じです」


「友達の友達ねぇ……ふーん」



何やら幸さんは面白そうに笑いながら、わたしを見ている。


やっぱり幸さんってたまに変なんだよね。




「それで、これから二人で飲みに行くの?」

「まあ……って聞いてたんですか?」


「まあね。聞いてたのは、私だけじゃないみたいだけど」



幸さんの言葉に引っ掛かったけれど、そこはあえて言わないでおいた。

大体予想は出来る。



だって、あの場にいたのはわたしたち以外に……



仲森さんしかいなかったのだから。