こんなことを叫びながら、思い切りまた抱きついてこようとするジョン。

わたしはそれを両手を前にいっぱい伸ばして、寸前で食い止めた。




「それ以上近づくな!それにわたしは可愛くない!」

「あっ、僕を置いてくなって~!」



逃げる私に、それを追いかけるジョン。


朝からしないでもいい体力消費をしてしまった……




職場に着き、わたしとジョンは真っ先に店長に挨拶を済ませた。




「君たちが本社からの腕利き社員か。ここの店長の川端(かわばた)です」


「本日からお世話になるジョン・テイラーと申します。こっちが部下の……」

「加藤麻菜です。今日からよろしくお願いします」


ジョンに引き続き、ペコリと頭を下げ店長を見上げた。


店長は30代後半の体格のいい男性だった。




「いやぁ、君たちには色々と期待しているよ。ウチの社員たちをビシバシ教育してほしい」



店長の驚くほどの、わたしたちへの期待。

ジョンへは期待を大いに持っていただいても構わないんだけど、わたしへは……