春菜と流川さんの会話になかなか入れずにいた。
というより、聞いていた方が面白かったからと言った方が正しいかもしれない。
「で?どうだったの?麻菜ちゃん」
「えっと……頼りになるお姉さんって感じで」
すると、春菜がしたり顔で流川さんの肩を叩いた。
「あっ、でもクラスの男子より男らしかったかも」
「やっぱりねー。春香は男より男らしいとこあるからね」
クスクス笑う流川さんは、かなり面白がっているようだ。
「ちょっと!二人して何よ!」
ふんっと少し拗ねてしまったような感じの春菜。
春菜ってたまに子供っぽいところあるからなぁ。
そんな春菜を気にすることなく、流川さんはお手洗いに席を立った。
流川さん……
やっぱり似てるなぁ。
流川さんの後姿を見つめながら、そんなことを考えていた。
「おーい!まーなー!」
春菜の声に気付かなかったみたいで、気付いた時には彼女が顔の前で手をひらひらさせていた。



