「えーっと、とりあえずビールを」

「ビールね。それよりお酒飲んで大丈夫なの?」

「あ、はい。1杯くらいなら」

「そう。なら、よかった」


さっきあんまり飲めないと言ったわたしを気遣ってくれたのだろう。


目を細めて笑う流川さんに、不思議な感情が芽生えた。


一言では言い表せないような、よく分からない感情が。




「二人は高校からの友達だっけ?」

「そうなのー。麻菜とは高校入ってから仲良くなってね」


いつの間にか話題はわたしたちの高校時代の話になっていて。

流川さんが興味深々で色々と尋ねてきた。




「麻菜ちゃん、春菜って昔からこんなだった?」

「こんなって何よ!流川さん!」

「えー?うるさくて、我儘で、頑固で、男らしい」

「印象最悪じゃないの、私。まあ、最後の男らしいっていうのは認めるわ。自分で言ってなんだけど」