頑張ってねって……おじさん。
わたし、前見えないんですけど。
しかも重いし。
頑張って顔を横に傾け、前を向こうとしたけど……それも無理で。
とりあえず前に進もうと足を動かしてみたけれど、重すぎてフラフラしてしまう。
「うーん、しょっ!よい、しょっ!」
一歩ずつ声を出しながら、ゆっくり前に進んでいった。
しかし、ちょうど搬入口の扉が動いたのに気付かなかったわたしは。
———ガタン
「きゃっ!」
その扉と持っていた段ボールがぶつかり、バランスを崩してしまった。
「あっ、わわわっ!わ———!」
上下左右にフラフラと動いて、何とかバランスを取ろうとしても……
もうダメ、倒れる!
そう思って、ギュッと目を瞑った瞬間だった。



