今、私が運ばなければならないのは、目の前にあるこの4箱だけみたいだ。
さすがに手だけでは持てないので、台車で運ぼうと探してみたが……
「あれ?」
………ない。
「あの……ここに台車ありませんでしたっけ?」
いつも置いてあるはずの場所に台車がなかったのだ。
「あー、それなら。さっき誰かが持っていったよ」
「え?あ、そうですか」
「そうそう。まだここに運んでこないといけないんだ。君のところは4つしかないから、ちゃっちゃと運んじゃって」
「え?え?え?」
あっという間に、1箱、2箱……と持たされていく。
4箱全て持たされたわたしは、すっかり視界を遮られてしまった。
「じゃあ、頑張ってね」
「………」



